【足が速くなる魔法の練習】陸上短距離に必要な能力を向上させるバウンディングとは

トレーニング理論
  • バウンディングってどんな練習?
  • バウンディングで足が速くなるって本当?
  • バウンディングはどうすればできるようになるの?

陸上競技をやっていたら1度は耳にする「バウンディング」ですが、このような疑問を持つひ人もいると思います。

そこで今回は、バウンディングと足の速さについての関係について話していきたいと思います!

サク
サク

できるようになると、確実に足が速くなるので、一緒に勉強していきましょう!

バウンディングとは?

バウンディングとはどういう練習なのかわからない人もいると思います。

バウンディングは、1歩1歩片足ずつ交互に大きく弾みながら、前方に進んでいくジャンプトレーニングの一種です。

地面から反発をもらいながら、1歩1歩大きなパワーを発揮しなければならず、体の動作のタイミングを合わせるのが難しいため、初心者ではかなり難しい練習になります。

バウンディングは走りに近い動作で脚のバネを鍛えることができるので、短距離においてかなり有効な練習といえるでしょう。

バウンディングと足の速さの関係

バウンディングがどんな練習かはわかったけど、どうして足が速くなるのかわからないですよね。

実は、バウンディングと足の速さには、相関があることが報告されています!

具体的に、以下の点で説明していきます。

  • バウンディングの跳躍距離と足の速さの関係
  • スピードバウンディングと足の速さの関係

最後に、バウンディングと足の速さの関係についてまとめます!

バウンディングの跳躍距離と足の速さの関係

バウンディングで大きく弾める人は、足が速い傾向にあると言われています。

疾走能力が高い人は、バウンディングや五段跳びでの跳躍距離が大きいという研究が多数報告されています。[1-6]

つまり、バウンディングで大きく遠くに弾めるようになると、足が速くなる可能性が高いという事です!

しかし、より高いレベルの選手同士では、跳躍距離と疾走能力の関係は弱くなることが報告されています。

このことから、バウンディングで1歩1歩遠くに弾めることは、一定レベルまでの足の速さに強く関係し、疾走能力を高める基盤を固めるために重要であると考えられるのです。

サク
サク

私も始めて10秒台を出したシーズンは、ドリルで必ずバウンディングをしていました!

スピードバウンディングと足の速さの関係

先ほどの跳躍距離だけでなく、より高いスピードで行うバウンディングのほうが、足の速さと強い相関があることが報告されています。

五段跳びの距離だけでなく、跳躍距離を跳躍するためにかかった時間で割った値のほうが、より疾走能力との関係が強い傾向にあるのです。[3]

また、100mバウンディングを行った際に、(歩数)×(タイム)の値は、全力疾走時の最大スピードと強い相関が合ったことが報告されています。[4]

これらのことから、「大きく+速く」前に進むことのできるバウンディングは、疾走能力に大きく関係し、足を速くするために重要でと考えられるのです。

バウンディングがうまい人の特徴

バウンディングをするためには、高いスピードで弾む必要があります。

そのためには、足を硬いバネのように使うことが重要です。

バウンディングで脚全体を硬いバネのように使える人は、足首で発揮できるパワーに違いがあることが報告されています。[7]

足首で発揮できるパワー(足首のバネ)は、短距離のパフォーマンスとも関連していると言われています。

バウンディングと足の速さとの関係まとめ

ここまで話したバウンディングと足の速さとの関係を以下にまとめました。

  • バウンディングで大きく弾める能力は、一定レベルまでの足の速さと関係がある
  • 高いスピードでバウンディングできる能力は、足の速さと強い相関関係がある
  • 高いスピードでバウンディングするためには、足首のバネの強さが関係する
サク
サク

やはり、バウンディングは足を速くするための重要な手段の1つとなりそうですね!

バウンディングの習得方法

バウンディングと足の速さの関係について、理解していただけたと思います。

次は、バウンディングの習得方法について解説します。

所作印写にはかなり難しい練習になるので、以下の4つのステップで解説していきたいと思います。

  1. 体を支える筋力を付ける
  2. 上に弾めるバネを付ける
  3. 徐々に前に進めるようにする
  4. さらに速い動きをできるようにする

この順番で練習していくと、バウンディングできるようになると思います!

順番に内容を見ていきましょう。

体を支える筋力を付ける

バウンディングができないと悩む人の多くは、そもそも体を支える筋力が足りていない可能性があります。

スプリントやジャンプ競技では、体重の2~5倍の力が脚にかかると言われています。

そのため、バウンディングをするためには、スクワットで自分の体重の2倍前後の重さを持てるようになるといいでしょう。

筋力が足りない人は、まずスクワットやデットリフトなど、ベーシックなウエイトトレーニングで筋力を増やしましょう!

上に弾めるバネを付ける

ある程度の筋力がついたら、まずは反動を付けての垂直跳びやハードルジャンプなどをして、真上に弾む感覚を身につけましょう。

上に飛ぶバネがなければ、地面を押して前に飛ぶことは難しくなります。

1回1回のジャンプに慣れたら、短い接地時間で連続でハードルジャンプをしてみましょう!

こうすることで、脚全体を硬いバネのようにする感覚を身につけることができます。

サク
サク

アンクルホップも、足首を硬くする練習に役立ちますよ!

徐々に前に進めるようにする

上に弾む感覚が理解できたら、徐々に前に弾む感覚を身につけていきましょう!

ポイントは以下の3点です。

  • まずは狭い間隔から始める
  • 接地はフラットを意識する
  • 腕振りのタイミングと接地のタイミングを合わせる

いきなり広い間隔でやるのではなく、徐々に増やしていくようにしましょう。

また、腕振りによって、体を前に移動させる力を生んだり、腕振りによる加重で大きな力を生んだりできます。

なるべく走るときの動作に近づくように、腕振りも意識すると良いですよ。

さらに速い動きをできるようにする

最終的には、高いスピードでバウンディングができるようになることが理想です。

そのためには、足首の強力なバネを使って、体の近くに接地しながらとにかく遠くへ弾めることが需要になります。

この時の接地は、ややつま先側に重心があると前に飛びやすくなるため、接地を変えた状態から、狭い間隔でやり直すというのも一つの手だと思います。

バウンディングをするときのポイント

最後に、場ウンディングをする時の注意点について説明します。

バウンディングは負荷が大きいトレーニングなので、正しい動作で行わないと、効果が得られないだけでなく、怪我につながる可能性もあります。

ポイントをおさえて、効果的にトレーニングを行いましょう!

バウンディングをするときのポイントは以下の4点です。

  • 体の真下に接地する
  • 膝を前に降り出さない
  • 正しい姿勢で練習する
  • 通常のトレーニングと並行して行う

順番に見ていきましょう。

体の真下に設置する

体の真下に近い位置で接地することで、臀部や体幹などの大きな筋肉を使えるようになるため、より遠くに弾むことができるようになります。

体に近い位置での接地は、スプリントを行う上でも重要であることがわかっているため、バウンディングでも意識して行いましょう。

体に遠い位置で接地をしてしまうと、ふくらはぎの筋肉などの末端の筋肉を使うことで距離を稼ごうとするため、すぐに疲れてしまいます。

練習後にどこが疲れているかを確認しながら行うことで、自分が普段使っている筋肉と使い低筋肉を意識すると良いですよ。

膝を前に降り出さない

膝を前に出す動作は、スプリント時の疾走速度の低下につながることが報告されています。

バウンディングの時にも、膝を振り出して距離を稼ごうとするのはやめましょう。

膝の振り出しは、接地のタイミングがずれて、大きなパワーを発揮できなくなるだけでなく、怪我にもつながります。

膝の角度は空中では90°を意識して、なるべく真下に振り下ろす意識で練習しましょう。

正しい姿勢で練習する

バウンディングをするときに、体が前傾してしまったり、逆に後傾してしまったりする場合があります。

体が上下や前後に動くことは、前方へ動く動作を妨害してしまいます。

腰を高い位置で固定し、体幹を固めることで、反発をもらいやすくなるのです!

弾むたびに頭が上下に動かない姿勢を意識して、バウンディングを行うと良いです。

通常のトレーニングと並行して行う

バウンディングと足の速さに関係があることは説明した通りですが、バウンディングだけしていても足が速くなるわけではありません。

バウンディングだけでは、実際のスプリントよりも動きが遅いため、間延びしたような走りとなってしまいます。

トレーニングとしては有効ですが、必ず最大スピードを出すトレーニングと並行して行いましょう!

まとめ

今回はバウンディングと足の速さの関係について、解説していきました。

バウンディングは速く走ることに必要な能力がまんべんなく鍛えられるので、習得するとほぼ確実に足が速くなると考えられます。

今回紹介した内容も踏まえて、練習に取り入れてみてはいかがでしょうか?

まとめ
  • すばやく遠くへ弾むバウンディングは疾走能力と強い相関がある
  • まずは上に弾む間隔を身につけ、徐々に水平方向の移動距離を伸ばすと良い
  • 正しい動作で怪我に帰依を付けて練習しよう!

最後までご覧いただきありがとうございました!

参考文献

[1]青木和浩,河村剛光,越川一紀,大学跳躍選手におけるバウンディング能力と体力の関係およびその性差,陸上競技研究,4,10-15,(2007).
[2]岩竹淳,山本正嘉,西薗秀嗣,川原繁樹,北田耕司,図子浩二,思春期後期の生徒における加速および全力疾走能力と各種ジャンプ力および脚筋力との関係,体育学研究,53,1-10,(2008).
[3]磯部慶,陸上競技短距離種目における疾走能力の評価方法の開発-バウンディング運動を用いて-
[4]山口恭平,小野高志,加藤洋介,スプリント・バウンディングはスプリント能力を反映するか?:Sprint Bound Indexと最大スピードから,Journal of Training Science for Exercise and Sport , 27号,p.25-34,(2016).
[5]宮代賢治,(宮下憲編著),スプリント&ハードル,陸上競技者,21-73
[6]Singh,W, Temporal evaluation of sprint bounding in sprinters and jumpers . British Journal of Sports Medicine , 44, i24-i24, (2010).
[7]苅山靖,図子浩二,バウンディングにおける Stiffness 特性へ影響する踏切脚の力およびパワー発揮:リバウンドジャンプとの比較から,体育学研究,60,137-150,(2015).

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