【短距離必見!】必ず足が速くなる陸上選手のマーク走のやり方と意識するポイント

トレーニング理論
  • マーク走ってどんな練習?
  • マーク走で本当に足が速くなるの?
  • マーク走で注意するべきポイントは?

陸上短距離なら誰でも聞いたことがある練習の「マーク走」

いろいろなところで足が速くなると言われていますが、疑問に思う方も多いと思います。

そこで今回は、マーク走について、なぜ足が速くなるのか、どんなことに注意すればいいのかを解説していこうと思います。

サク
サク

私も10秒台を始めて出したシーズンは徹底的にマーク走をしていました!

マーク走について知りたい方や足が速くなりたい方は、ぜひ最後までご覧ください!

マーク走とは?

そもそもマーク走とは? と思っているかたに説明します。

マーク走とは、陸上競技で多用される練習の一つです。

走路に、等間隔に置かれたマーク(コーンなど)を目印に一定のストライドで走る練習を言います。

ストライドが固定できるので、目標のストライドで走る練習になったり、同じストライドでピッチを高める練習ができたりします。

練習の効果は様々で、目標に合わせてマークの間隔を合わせていきます。

マーク走のやり方

マーク走がなんなのかはわかったけど、具体的にどうすればいいのかわからないですよね。

次は目標別にやり方と練習効果を説明します。

なんの意図もなく練習をこなしていては、成長スピードが遅くなります。

なぜマークをおいて走るのか、どんな効果が期待できるのか、詳しく見ていきましょう!

具体的に以下の3点について練習方法を説明します。

  • ピッチの向上を狙う場合
  • 後半の速度維持(ピッチキープ)を狙う場合
  • ストライドの向上を狙う場合

順番に見ていきましょう!

ピッチの向上を狙う場合

ピッチの向上を狙う場合には、全力時のストライドか、それよりも短い幅でマークを設定すると良いと考えられます。

普段の全力時と同じストライドのマークで、ピッチを上げることだけに専念すると、ストライドを減少させずにピッチの向上が望めます。

速度=ピッチ×ストライドですから、これができると当然足が速くなります。

ピッチの向上に重要なのは、接地時間と滞空時間を短縮することです

あえて幅の狭いマークを用いることで、足の切り返しのタイミングを早め、足首や膝を固定する感覚を身につける事ができると考えられます。

通常のストライドの90~95%のマークを用いて練習をすることで、疾走速度の向上や、挟み込み動作の改善が見られたという報告もあります。

これらのことから、ピッチの向上には、通常時のストライドか、それよりも短い幅を用いることで、高いピッチを出す動作の感覚を身につけることが重要だと考えられます。

後半の速度維持(ピッチキープ)を狙う場合

100mや200mでは、後半でピッチが低下することで疾走速度が大幅に低下することがわかっています。

そこで、疾走区間の後半部分にマークを置くことで、レース終盤でのピッチの低下を防ぐトレーニングをすることが効果的です。

100mであれば、60mの位置から、最大速度時のストライドと同じか短い間隔でマークを置くことで、後半のピッチ低下を防ぐトレーニングができます。

ここで注意するべきなのは、マーカーに合わせて足を置こうとすることで、減速してしまうことです。

減速してしまうと、マークの距離が合わなくなり、練習効果が低下してしまうので、多少マークの位置を無視をしてでもなるべく自然な流れでマーク走をしましょう。

また、長い距離を複数行うと、疲労によってストライドが変わる可能性があるので、本数の設定にも注意して練習しましょう。

ストライドの向上を狙う場合

ストライドの向上を狙う場合には、普段のストライドよりも広めに設定する事が効果的です。

広めにマークを置いて、ピッチを上げることに専念します。

普段と同じピッチでストライドが向上すれば、これもやはり足が速くなります。

しかし、マークを通常のストライドよりも広く取ることで、走動作に悪影響を及ぼす場合もあります。

具体的には、足を前に振り出して距離を稼いだり、足首や膝を伸展させることで地面を蹴る動さをするなど、「足首や膝関節を強調した動作」をすることです。

これらの動作は、足が遅くなってしまうことがわかっているので[1]、このような動作をしない範囲でマークを広げるか、このような動作以外でストライドを確保する必要があります。

サク
サク

「ストライドは自然に伸びるものだ!」と考えて、あえてストライドを広げたマーク走は行わないのもありだと思います!

マーク走で気をつけるべきポイント

マーク走の効果については理解していただけたと思います。

最後にマーク走を通して、気をつけるべきポイントを紹介していきます。

具体的に以下の3つのポイントに気をつけましょう!

  • スタートはしっかり加速する
  • 遊脚の動きを意識する
  • 普段の動作と同じ動きをする

最後に、ピッチとストライドそれぞれの練習時のポイントについてもまとめたので、ぜひご覧ください。

スタートはしっかり加速する

マーク走は中間疾走の改善を行うことが目的です。

マークの間隔は、全力時と同じなのでスタートからしっかり加速しないと、マークの距離が合わないということになりかねません。

スタート時は地面を押し込む意識でしっかり加速していきましょう!

遊脚の動きを意識する

遊脚とは地面についていない方の足のことです。

遊脚をうまく使うことでピッチやストライドを向上させることができます。

同じピッチでもストライドが広い人は、遊脚を振り子のように使って地面に加重できている傾向があります。

また、同じストライドでピッチが速い人は、遊脚と支持脚の挟み込みスピードが比較的速い傾向にあります。

サク
サク

これらの特徴をわかりやすくしたものが、福島大学の川本和久先生が考案した「ポン・ピュン・ラン走法」です

遊脚の動きを意識することで、走り方の改善に取り組みましょう!

普段の動作と同じ動きをする

マーク走では普段の動きと同じ動作が必要です。

ピッチを意識しすぎる余り、腕振りが小さくなったり、ストライドを広げようとして体が後傾してしまったりすると、通常の走動作にも影響を与え、練習効果が低くなります。

マークはあくまで目安程度に考え、普段通りの走りをできるようにしましょう!

ポイントまとめ(ピッチの向上)

ピッチを意識して練習する場合のポイントを以下にまとめました。

  • マーク幅は狭すぎないか(通常のストライド幅もしくは90~95%が理想)
  • 体が後傾していないか
  • 腕振りが小さくなっていないか
  • 足首や膝関節の動きが強調されていないか
  • 体の近くに接地できているか
  • 意識的にスピードを抑えて走っていないか
  • すばやく挟み込み動作が行えているか

これらのポイントを確認しながら練習に望みましょう!

ポイントまとめ(ストライドの向上)

ストライドを意識して練習する場合のポイントを以下にまとめました。

  • マークは広すぎないか(通常のストライド幅もしくは105%までが理想)
  • 体が後傾していないか
  • 足首や膝関節の動きが強調されていないか
  • 膝下を延ばすようにして距離を稼いでいないか
  • 接地の時に遊脚の膝が支持脚に追いついているか
  • 意識的にスピードを緩めて走っていないか
  • すばやく挟み込みを行う意識が持てているか

これらのポイントに注意して、練習を行ってみましょう!

まとめ

今回は、マーク走について、その効果やポイントを解説していきました。

マーク走は正しい動作を体で覚えることができる、有効な練習法です!

自分の適切な距離がわからない時は、男性は180cmから、女性は160cmから徐々に距離を伸ばしていくと良いでしょう。

迷ったら、とりあえずマーカーコーンを購入してみてください!

まとめ
  • マーク走は、ピッチ・ストライドの向上が望める
  • 練習目的によって、マークの間隔や意識するポイントを抑える

最後までご覧いただきありがとうございました!

参考文献

[1]伊藤章, 市川博啓, 斉藤昌久, 佐川和則, 伊藤道郎, & 小林寛道,100m 中間疾走局面における疾走動作と速度との関係,体育学研究, 43(5-6), 260-273,(1998).

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