- 陸上の短距離選手みたいに足が速くなりたい!
- 球技から陸上に転向したけど、どんな練習をすればいいの?
- 球技から陸上に転向したらどんなことに気をつけて走ればいいの?
球技をやめて陸上に転向したはいいものの、なかなか記録が伸びずに悩んでいる方も多いと思います。
私自身も元々野球をしていましたが、陸上に転向してから伸び悩む時期がありました。
そこで今回は、球技選手が陸上短距離選手になった場合にするべき練習について解説していきます。
球技選手と陸上選手の違いを理解し、ポイントを抑えて練習することで、タイムが一気に縮まるようになります!
本記事では、以下の4点について解説していきたいと思います。
- 球技選手と陸上短距離選手における3つの違い
- 球技選手が気をつけるべきポイント3選
- 球技選手はマーク走よりもミニハードルを使え!
- その他の有効な練習方法3選
球技と短距離の違いを知りたい人や、球技から陸上に転向したけど今すぐ足が速くなりたいと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください!
球技選手と陸上短距離選手における3つの違い
球技選手と陸上選手では、そもそも走る目的や走り方に違いがあります。
そうはいっても、走りの違いについて意識したことはありませんよね。
しかし、違いを理解しないまま、やみくもに練習をしても結果はついてきません。
そこで始めに、球技選手と陸上短距離選手の違いについて解説していきます。
一般的にいえる部分と主観が混ざりますが、違いといえる部分をあげていきます!
具体的な違いは以下の3点です。
- 走る目的
- 重心の位置
- 接地の位置
違いについては、以下の記事にも載せているので、興味がある人はそちらをご覧ください!
走る目的
球技選手と短距離選手では走る目的が違います。
野球やバスケットボールでは、約20m程度の距離をいかに速く走れるかが重要です。
また、ブレーキをかける事が前提のため、トップスピードに挙げる瞬発力とピタッと止まれブレーキ力が必要になります。
また、野球の盗塁やサッカーのドリブル、ディフェンスなどでは、走力以外に駆け引きも重要な要素となります。
そのため、いかに速く走れるかよりも、技術的な物が重要になる場合が多いです。
一方短距離では、100mを走りきる走力のみが必要とされます。
短距離に駆け引きはほとんど無く、常に自分自身との戦いとなります。
また、減速する必要は全くないため、単純に加速力とそれを維持する力が必要になります。
そのため、球技と陸上では、速度を維持する力と駆け引きの有無、ブレーキの必要性という点で走りの目的が大きく異なっています。
重心の位置
球技選手と短距離選手では、重心の位置にも違いがあります。
多くの球技では、加速力とブレーキ力を必要とするため、腰の位置は低くなります。
腰の位置を低くすることにより、大腿四頭筋やハムストリングスなどの股関節周りの筋肉を使って、急加速や急ブレーキの力を生み出しています。
一方短距離では、100mを走りきるために、地面からの反発を効率よく使用する必要があります。
そのため、腰の位置は高くなり、股関節周りの筋肉はバネのように自発的にではなく他発的に使用されます。
球技選手は腰が低い方が駆け引きでも対応しやすいというメリットがあります。
球技から陸上に転向してきた人の多くは、腰の位置が低く、重心が低くなるため、地面からの反発を生かせていません。
結果的に空気の抜けたボールのように、ばね感のない走りをしています。
短距離で速くなるには、地面からの反発を生かすことが重要になるので、重心の位置を高くすることを意識しましょう!
接地の位置
接地の位置も球技選手と短距離選手では違いがあります。
一般的に陸上競技の接地では、重心よりも前に支持脚が接地し、重心が支持脚を通り過ぎると立地します。
しかし、野球やバスケットボールなどの球技選手の走りは、極度に前傾している場合が多く、重心の真下近くに接地し、重心よりも後ろに脚がきても地面を押している傾向にあります。
この動きは、短距離の1次加速区間と類似した動きですが、100mの間だすべてでこの動作を行うことは無理があります。
私も陸上始め縦の頃は、常に前傾姿勢で走ることが速いと思っていました!
体が前傾すると、脚が後ろに流れる原因になったり、地面からの反発をうまくもらえなくなったりします。
原因である前傾を強制して、正しい位置での接地を身につけることが、足が速くなる最短の方法です!
球技選手が気をつけるべきポイント3選
球技選手と陸上短距離選手の違いについてはわかったけど、具体的には何に気をつけて走ればいいのでしょうか?
短距離走を速くするためには、短距離選手の走りをマネすることが最も効率的です。
しかし、いきなりマネをしろと言われてもどこをマネすればいいのかわかりませんよね。
トップ選手を参考に、気をつけるべきポイントを具体的に紹介していきます!
具体的に気をつけるべきポイントは以下の3点です。
- 重心(腰の位置)を高くする
- 体の真下に接地する意識を持つ
- 地面からの反発を意識する
順番に解説していきます!
重心(腰の位置)を高くする
球技選手が短距離を速くするために最も重要なのは、重心(腰の位置)を高くすることです。
腰の位置が低いままだと、脚の動きが制限され、股関節から動かすことが難しくなります。
そのため、膝や足首を使う動きが多くなり、扱える力が小さくなるだけでなく、地面からの反発をもらいにくくなります。
腰の位置を高くすることで、股関節周辺にゆとりでき、股関節を使って走ることが楽になります。
走りに使う筋肉は、臀部や太腿などの股関節周辺の筋肉なので、腰の位置を高くすることで股関節周辺を使いやすくすることは効果的です!
重心(腰の位置)を高くして、大きな筋肉を使った走りをできるようにしましょう!
体の真下に接地する意識を持つ
体の真下に接地する意識を持つ事も重要なポイントです。
球技選手では、脚の力で地面を蹴って進む意識が強いため、どうしても後ろに脚が残り、脚が流れていってしまいます。
そこで、体の後ろではなく真下に接地する意識を持つことで、脚をより体の前で回し、脚が後ろに流れることを防ぐようにします。
重要なのは、真下に接地することではなく、まっすぐ下に脚を運ぶ意識をすることです。
真下に接地すると脚が流れるので、厳密には体の前に設置することになります。
膝下を降り出すことを防ぐためにも、真下接地を意識する事が何よりも重要です。
脚が流れることや、膝下を降り出さないために、真下接地を意識して走る練習をしてみましょう!
地面からの反発を意識する
地面からの反発を意識する事は速く走る上で重要です。
球技選手は自分の力で、前に進もうとすることが多く、実際その方が効率的です。
しかし、短距離では、100mという球技よりも長い距離を全力で走り続ける必要があります。
そのため、自分の力をなるべく使わずに効率的に走る技術が重要になります。
その技術が地面からの反発をもらうことです。
脚をばねのように使って地面からの反発をもらうことで、自分の力を余り使わないでトップスピードを維持することができるようになります。
トップスプリンターと一般競技者の違いも、この地面からの反発をもらう技術にあると思います!
地面からの反発をもらうには姿勢・筋力・フォームなどの要素があるので、地面からの反発を意識して走る練習を行い、徐々に改善に努めしょう!
球技選手はマーク走よりもミニハードルを使え!
球技選手が短距離選手に転向する際に気をつけるポイントを説明してきました。
しかし、具体的な練習方法について思いつかない人もいると思います。
そこで、次は具体的な練習方法について説明していきます。
私がおすすめするのは、ミニハードルを使った練習です!
ミニハードルはマーカーコーンと違って高さがあるので、球技選手の走りを強制するために様々なメリットが考えられます。
具体的には以下の3点です。
- 重心を高く保てる
- 真下接地の意識が持ちやすい
- 脚の軌道を矯正できる
マーカーコーンを使用したマーク走と比較して解説していきます!
重心を高く保てる
ミニハードルを使ってマーク走をすることで、重心を高く保つことができます。
ミニハードルは、マーカーコーンに比べて高さがあります。
そのため、腿を上に上げて走る必要があります。
腿を上に引き上げるためには、腰の位置を高くして、上体を地面と垂直にする必要があります。
結果として重心が高くなり、短距離選手のフォームに近づくことができます。
私も中学時代はミニハードルで練習をして、フォームを固めていました。
球技選手が腰の位置を高くするためには、ミニハードルは効果的な練習方法です!
真下接地の意識が持ちやすい
ミニハードルを練習に用いることで、真下接地の意識を持ちやすくなります。
ミニハードルは高さがあるため、膝下を大きく降り出して距離を稼ぐということができなくなります。
そのため、膝の振り出しが抑えられ、膝の下に脚を下ろす動作が自然とできるようになります。
また、上に弾む必要があるため、地面からの反発をもらいやすい接地が身につきます。
ミニハードルを使った練習は、トップスピード区間での足の運びを効率的に練習することができます!
地面からの反発がうまくもらえない人は、ミニハードルを使って真下接地の意識をしてみましょう!
脚の軌道を矯正できる
ミニハードルは脚の軌道を強制するためにも効果的です。
ミニハードルは高さがあるため、脚を高く引き上げて空中で回転させる必要があります。
そのため、低い位置で膝下を降り出して距離を稼いだり、脚を後ろに残して低い位置で前に持ってくるということができなくなります。
結果として、前さばきの上達や、脚の流れを抑制する効果が得られます。
私自身も、脚の流れはミニハードルを使って強制しました。
球技選手はもちろん、脚の軌道がいまいち良くないと思っている短距離選手は、ミニハードルを使ったトレーニングをして良いフォームに近づけていきしょう!
その他の有効な練習方法3選
ミニハードルをつかった練習の有効性は理解していただけたと思います。
最後に、球技から短距離に転向した人向けのミニハードル以外の練習方法について解説していきます。
陸上で最も重要なのは地面反力(地面からの反発)です。
そこで、おすすめの練習として地面反力を得るために必要な硬いばねを鍛える練習を紹介していきます。
地面反力については以下の記事でも解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください!
具体的な練習方法は以下の3つです。
- リバウンドジャンプ
- ギャロップ走
- バウンディング
ポイントも解説するので順番に見ていきましょう!
リバウンドジャンプ
リバウンドジャンプは、脚の硬いばねを鍛えるために効果的です。
ポイントは以下の3点です。
- 脚の中心か、ややかかと寄りで接地する
- 膝や足首をできるだけ曲げずに固定する
- 腕を大きく振って体を浮かせる
リバウンドジャンプは、地面からの反発をもらわなければ、ただの垂直跳びの連続のように、1回1回自分の力で飛び上がらなければならなくなります。
地面からの反発を意識して、なるべく短い接地時間で高く飛ぶように意識してみましょう!
リバウンドジャンプの上達は、タイムの向上にかかわります!
地面からの反発を体感するためにも、リバウンドジャンプを練習してみましょう!
ギャロップ走
ギャロップ走は、空中でためを意識するために効果的な練習です。
ポイントは以下の点です。
- 挟み込みを素早く行う
- 空中でバウンディングの形で制止する時間を作る
- ジャンプ動作は素早く行う
短距離で大切な空中でのための意識や、挟み込みのタイミングの練習となります。
細かい動作の意識ですが、できるとできないとではタイムに差が出ます。
動きも少し複雑なので、自分のイメージした動きができるかどうかのトレーニングにもなりとても効果的です。
私も10秒台を出すためにドリルに取り入れていました!
自分の動きのイメージをつかむためにも、ギャロップ走をアップに取り入れてみましょう!
バウンディング
バウンディングは言わずと知れた短距離練習の王道です。
ポイントは以下の3点です。
- きちんと上に高く跳ぶ
- 地面を押して斜め前に体を運ぶ
- 地面からの反発を意識する
挟み込むイメージも重要ですが、地面からの反発が最も重要なポイントです。
初めのうちは、遠くに飛ぶ必要はないので、1歩1歩地面からの反発をもらって進む練習をしましょう。
慣れてきたら、腕や遊脚の振り込みと接地のタイミングをあわせて、大きな地面反力をもらえる練習をしましょう。
私が10秒台を出せたのは、バウンディングの上達が1番の要因だと思います!
短距離の記録時向上のために、バウンディングを練習しましょう!
まとめ
今回は、球技選手が短距離に転向する際に気を付けるべきポイントと練習について解説していきました。
陸上の競技人口は、スター選手のおかげで増え続けています。
短距離だけでなく、球技選手の方でも、今回の練習を実践することで足が速くなる可能性は高いです!
ぜひ、今回説明した内容を意識して練習に取り組んでみてください!
- 球技と短距離では、走る目的、重心の位置、接地の位置に違いがある
- 球技選手が短距離選手になる場合には、重心、接地、地面からの反発を意識する必要がある
- ミニハードルを使って腰の位置や走り方を強制しよう!
今回紹介したミニハードルのおすすめはこちらから。
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